屋外スポーツの夏場というのは非常に過酷な環境で、近年では35度を超える猛暑日以上に、40度を超える酷暑日というのもよく耳にします。
そんな中、保護者の方は「子供が少年野球をしているけど、熱中症が心配。。。」と思っているのではないでしょうか?
この記事では、熱中症を予防するために必要な知識やグッズをご紹介していきます。最後まで読んでいただけると熱中症への対策が身につきますので、ぜひ完読して大切な子供たちの命を守りましょう!
なぜ少年野球では熱中症に注意が必要なの?

夏場によく耳にする『熱中症』
その熱中症のことを簡単に説明すると、
暑すぎる環境下で激しい運動を行い続けると、体の温度調節ができなくなり「めまい」「失神」「けいれん」「頭痛や倦怠感」「嘔気・嘔吐」などの症状が出現し、命を落とす危険性もあります。
では、なぜ少年野球では熱中症に注意が必要かというと。。。
子どもは大人より暑さへの対応が難しい
小学生は大人に比べ、体温調節の機能がまだ十分に発達していません。
高温多湿な環境下では体温が上がりやすく、運動することでさらに体温が上昇し汗をかくことで体内の水分量が少なくなって熱を下げることが出来なくなります。
そのため熱中症リスクが高くなるのです。
野球は長時間屋外にいることが多い
野球では、単に練習している時間だけでなく”ウォーミングアップ”から”キャッチボール”や”ノック”、”間の待ち時間”などをトータルして長時間、日の下でいることとなります。
常に動き続けるスポーツではない野球ですが、だからといって「あまり動いてないから大丈夫」というわけではなく、待っている時間も体力は刻々と奪われています。
特に夏場では、最初は元気でも後半にかけてじわじわと熱が体に蓄積することが多いので注意が必要です。
「まだ大丈夫」と我慢してしまう子どももいる
まだ子供のうちにありがちなのが、
「休みたい」
「吐きそう」
「頭が痛い」
という症状を自分で上手く伝えられないことがあります。
こういうケースには、「休むと怒られる」「試合に出してもらえない」などの考えが働いてしまうのでしょう。
そのため、自己申告だけでなく指導者や保護者が、動きや受け答えなどの変化をよく観察することが大切です。
暑さだけでなく湿度や日差しも影響する
ここで注意していただきたいのが、『熱中症は水分だけをとっていればならない』というわけではないということです。
その日の湿度や日差し、運動量・体調などさまざまな要素が関係してきます。
ですので、「水分をたっぷり持たせたから大丈夫」という油断はしないようお願いします。
少年野球の熱中症対策10選

単に「水分をしっかりとる」「体を冷やす」というだけでなく、『練習前』『練習中』『練習後』から意識して対策をすることが重要となります。
① 練習前から水分補給をする
汗をかいてから慌てて水分をとるのではなく、練習前から水分を補給しておくことが重要です。
その際、一気飲みはせずに少量の水分をこまめに補給するよう習慣をつけておきましょう。
② のどが渇く前にこまめに飲む
①と重複する点もありますが、のどの渇きを感じて一気に飲むのではなく、数回に分けて水分を少しずつ取ることを意識しましょう。
練習に夢中になりやすい子供は、水分補給を忘れてしまうことがあります。
指導者や保護者が水分補給の声をかけてあげることも大事です。
③ 汗をたくさんかく日は電解質も意識する
特に暑い夏場は、大量に汗をかくことがあります。
汗には水分だけではなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質が含まれています。
失われた電解質を放っておくと、電解質バランスが崩れ不整脈やけいれん、意識障害などを起こしてしまいます。
そのため、汗をたくさんかいた時はスポーツドリンクや塩分を含むタブレットなどで電解質の補給も大切にしましょう。
④ 定期的に休憩を取る
「練習時間の確保のために休憩時間をおろそかにする」のは絶対にやめましょう。
暑さや環境に合わせて、休憩時間を確保することが大切です。
体を休めることでパフォーマンスの向上が望めますので、休憩も練習の一部と考えることがポイントになります。
⑤ 日陰や涼しい場所で休ませる
単に運動をしないことが休憩というわけではありません。
できるだけ直射日光を避け、体に熱がこもらない環境下で休むことが重要です。
テントや日陰などを用意しておきましょう。
⑥ 帽子や通気性のよい服装を選ぶ
日光が直接当たらないように、帽子やウェアを着用しましょう。その際、通気性の良いものを選ぶことが重要です。
汗で衣類がびちゃびちゃな状態だと、通気性も悪くなるので着替えを用意しておくことをおすすめします。
⑦ 冷却グッズを活用する
冷却グッズといってもたくさんありますが、特に
- 冷却タオル
- 保冷剤
- 氷
- クーラーボックス
などを用意しておくと便利でしょう。
効率よく体から熱を出すために、太い血管が通っている『首』や『脇』を冷やします。
個人でも準備しておくとよいですが、チームでクーラーボックスに水と氷を用意して、そこに冷却タオルを入れておくと迅速に対応できるので、なおよいでしょう。
⑧ 練習前に子どもの体調を確認する
先ほども少し話しましたが、熱中症を予防するのに「暑さ」だけをどうにかすればよいわけではありません。
湿度やその他の環境も影響してきます。
その他の環境に含まれるものとして、
- 睡眠不足ではないか
- 朝食を食べているか
- 疲れが残っていないか
- 発熱など体調不良がないか
など体調面が挙げられます。
練習前に子供たちに確認し、少しでも体調に変化があるようなら練習で無理をさせないようにしましょう。
⑨ 子どもが「体調が悪い」と言いやすい環境を作る
子供たちを『勝たせてあげたい』という思いが強いと、ついつい熱が入ってしまうものです。
「練習をサボるな」
「それぐらいで、弱音を吐くな」
などという雰囲気を作ってしまいがちで、そうなると体調の悪さを我慢してしまう子供も出てきます。
『体調が悪ければすぐに言える』という環境を、チーム全体で作っておくとよいでしょう。
⑩ 暑さ指数(WBGT)などを確認する
暑さ指数とは熱中症のなりやすさを数値で表した指標で、アメリカで提案されました。
単位は気温と同じく℃で表しますが、普通の気温とは値が異なるので注意が必要です。
人体の「熱ストレス」を表すために、
- 気温
- 湿度
- 日射
- 風
などの要素を組み合わせて算出します。
環境省や日本生気象学会などでは暑さ指数の区分として、
- 21〜25:注意(こまめな水分補給など)
- 25〜28:警戒(激しい運動・作業に注意)
- 28〜31:厳重警戒(熱中症リスクが高い)
- 31以上:危険(原則として運動・激しい作業は中止)
特に28以上になると熱中症患者が急増することが報告されています。
気象情報サイトなどを確認し、必要に応じて練習時間や内容を工夫するとよいでしょう。
少年野球の水分補給はどうすればいい?

何度もいいますが「のどが渇いてから」では遅く、練習前からこまめな水分補給を意識しましょう。
ここでは「何を」「どれくらい」「どういうタイミングで」など、水分補給の方法を説明していきます。
水とスポーツドリンクはどちらがいい?
「断然こっち」というわけではなく、運動量や汗を流す量によって飲み分けるのがおすすめとなります。
結論からいってしまうと、暑い日のハードな練習ならスポーツドリンクがいいでしょう。
大量に汗をかくと電解質のバランスが崩れてしまうので、失われる電解質を補給する必要があります。
スポーツドリンクを飲ませるときの注意点
失われた電解質を補給するといっても、飲めば飲むほど回復するというわけではありません。
スポーツドリンクには糖分が含まれているので、運動中のエネルギー補給には良いですが普段の生活で習慣的に飲むのは体重増加の原因になるので注意が必要です。
水筒はどのくらいの容量が必要?
気温や運動量、練習時間によっても変わってくるものではありますが、一つの目安としては夏場の練習であれば1.5~2Lの大容量を考えましょう。
個人差はありますが、「足りなくなる」という危険だけは回避したいものです。
持ち帰った時に余っているのなら、それを基本に量を調節するとよいでしょう。
練習中は一気飲みではなくこまめに飲む
「のどが渇いているから一気飲み」するのではなく、こまめに数回に分けて補給することが大事です。
大量の水分を一気に体内に入れても、吸収するスピードは変わりません。むしろ、水分が胃の中にたまり、動くと気持ち悪くなるので注意が必要です。
試合の日は特に水分補給を意識する
試合になると、普段の練習とは違い「勝ちたい」「試合に出続けたい」と熱が入るものです。
そうなると、子供は水分を取るのが二の次になったり、忘れてしまいます。
試合前から普段と変わらずこまめな水分補給と、ベンチに戻ってからは必ず水分をとるよう保護者が気を付けて見てあげてください。
子どもに熱中症の症状が出た場合の対応

まず、このような症状が出たら熱中症のサインですので見逃さないように注意してください。
- 大量の汗をかく
- めまい
- 頭痛
- 吐き気
- 筋肉のけいれん
- 強いだるさ
- 集中力が低下する
- 反応がおかしい
- 意識がもうろうとする
などの症状が見られた場合、どのような対応をすれば良いのでしょうか?
まず運動を中止する
とにかく最初に行うのは、運動をやめさせましょう。
本人からは「大丈夫」という言葉が出たとしても、上記の症状が出ている場合は無理をさせずに大人が様子を観察しましょう。
涼しい場所へ移動する
運動を中止した後は、なるべく早く涼しい場所へ移動させます。
涼しい場所とは、
- 日陰
- エアコンの効いた室内
- 風通しのよい場所
がよいでしょう。
とはいっても、グラウンドには日陰がなかったりエアコンの効いた施設などは見つからない場合もありますので、車内を利用できるよう検討することも必要です。
衣服をゆるめて体を冷やす
胸元のボタンや、ベルトをゆるめて体を楽にさせてあげてください。
その後、首や脇・足の付け根などの太い血管が通っている部分に保冷剤や氷をあてて冷やすことで、体にたまっている熱を逃がしてあげてください。
意識がはっきりしているか確認する
意識の確認が非常に重要なポイントとなります。
子供に、
「自分の名前は言える?」
「ここはどこか分かる?」
「何をしてたか憶えてる?」
など、考えて返答しなければならないような質問をしてみてください。
その際、反応しなかったり、変な答えだったり、けいれんしているなどの場合は、重症の可能性があるので、すぐに119番へ救急要請をしてください。
※環境省熱中症予防情報サイトで『熱中症の対処方法』も合わせてご覧ください。
自力で飲める場合は水分・電解質を補給する
さきほどの質問を、いつもと変わりなく答えられたり意識がはっきりしている状態なら、水分と塩分を渡してあげてください。
この時の飲み物は、水だけでなく塩分が含まれている飲み物や経口補水液などがよいでしょう。
しかし、意識がもうろうとしており水分を渡しても自分で飲めないようであれば無理に飲ませないようにしてください。水分が気管へ入り誤嚥のおそれもありますので注意が必要です。
症状が改善しても、すぐに練習へ戻さない
症状が落ち着いた場合も油断は禁物です!
すぐには練習には戻さず、様子を十分に観察してください。
症状が再び悪化するようであれば、医療機関への受診も検討が必要です。
少年野球に持っていきたい熱中症対策グッズ

熱中症対策グッズを選ぶ際におすすめなのが、まずは用途を考えることです。
「水分補給」
「体を冷やす」
「暑さを避ける」
の3つを考えて準備すると間違いないでしょう。
環境省でも、上記の3つを対策として挙げています。
大容量の水筒
まずは考えるのが「水分補給」
それに欠かせないのが水筒です。特に夏場の練習では水筒は欠かせません。
ポイントとしては、
- 保冷力の高さ
- 飲み口の飲みやすさ
- 持ち運びやすさ
- スポーツドリンクに対応している
などです。
クーラーバッグ
飲み物や冷却グッズを冷たい状態で保管するためにはクーラーボックスがあると便利です。
クーラーボックスがあれば、
- 飲み物
- 氷
- 保冷剤
- 冷却タオル
などをまとめて入れておけます。
冷却タオル
水で濡らすとひんやりとするタイプの冷却タオルは、暑い日の練習では重宝します。
首や頭にかけて使うと体を冷やすのに活用できます。
ネッククーラー
首周りを冷やせるネッククーラーもおすすめです。
冷風が出てくる充電式タイプのものや、28℃以下で凍るとされている冷蔵庫で冷やせるタイプなど種類が豊富です。
保冷剤
「体を冷やす」のに効果的な保冷剤ですが、クーラーボックスに多めに入れておくとクーラーボックス自体を冷やせますし、体に直接あてがうと効率よく冷やすこともできます。
多めに用意しておくことをおすすめします。
帽子
少年野球では帽子がユニフォームとセットで着用されることが多いですが、「直射日光を避けるための日除け」として必ず着用しましょう。
その際、通気性やゆとりのある大きさを選び快適に着用できるようにしましょう。
日傘・簡易テントなどの日除け
「暑さを避ける」ために簡易テントやタープをチームで準備するとよいでしょう。
プレー中以外にも選手たちは暑い環境で長時間いることが多くなります。
暑さを避ける環境を作り、熱中症への対策をしましょう。
熱中症対策用の温度・暑さ指数確認グッズ
グッズというわけではありませんが、暑さ指数(WBGT)を確認できるような環境は作っておきましょう。
環境省では、WBGTを確認しその指標に応じた休憩や水分補給、運動時間を判断するよう案内しています。
保護者が練習・試合前に確認するチェックリスト
| チェック項目 | OK? |
| 睡眠不足ではない | □ |
| 朝食を食べた | □ |
| 体調に問題がない | □ |
| 水筒を準備した | □ |
| 帽子を準備した | □ |
| タオルを準備した | □ |
| 暑さ指数を確認した | □ |
| 冷却グッズを準備した | □ |
こういったチェックリストを作って活用すると、子供たちの体調管理に役立ちます。
少年野球の熱中症対策でよくある質問

少年野球では水をどのくらい持たせればいい?
「何L準備すれば良い」という明確な指標はありませんが、その日の気温・湿度・練習時間・運動量・子供の体性などを考慮しなければなりません。
まず最初に、1.5~2Lの水筒を準備しその日の飲み具合を参考に調整していくと安心ですね。
スポーツドリンクだけでも大丈夫?
スポーツドリンクだけに限定する必要はありません。
大量に汗を流すと水分と一緒に電解質も失いますが、その電解質を補給するためにスポーツドリンクや塩分が必要となります。
しかし、スポーツドリンクには糖質を含んでいるものが多く普段の生活でも飲用していると体重増加に注意が必要となります。
ですので状況に合わせて内容を変えることをおすすめします。
例えば、
- 普段の生活や軽い運動 → 水など
- 暑い日の長時間練習 → スポーツドリンクなども活用
- 大量に汗をかいたとき → 水分+電解質を意識
- 試合や遠征 → 水分を十分に準備し、必要に応じて電解質も補給
など、状況に合わせて考えるとよいでしょう。
ただし、スポーツドリンクを飲んでいれば熱中症を防げるわけではありません。
水分補給・休憩・日陰での休息・体の冷却・練習時間や強度の調整などを組み合わせることが重要です。
また、のどが渇いてから一気に飲むのではなく、練習中もこまめに飲める環境を作るようにしましょう。
気温が何度なら練習を休むべき?
気温だけを基準に練習をするしないを決めるのは危険です。熱中症の危険性は、気温・湿度・日差し・風・運動量によって大きく変わってきます。
暑さ指数(WBGT)を参考に決めるのがおすすめです。WBGTは、湿度や日射、風などを組み合わせて熱中症リスクを数値化した指標です。
気象情報サイトなどで手軽に確認できるのでぜひ活用しましょう。
曇っていれば熱中症の心配はない?
いいえ、曇りだからといって油断は禁物です。
気温だけでなく、湿度や日射、風、運動量などで熱中症になる危険性はあります。
天候だけで判断せず、暑さ指数(WBGT)を参考にすることをおすすめします。
子どもが「大丈夫」と言っていても休ませるべき?
その通りです。子どもの「大丈夫」だけで判断して運動を再開するのはやめましょう。子供の状態を十分に観察して慎重に判断することが重要です。
子供たちは、「試合に出たい」「上手くなるために練習を休みたくない」という気持ちから、体調が悪くても「大丈夫」と答えてしまうことがあるのです。
以下のような様子が見られた場合は、本人が大丈夫と言っていても練習を中断して休ませましょう。
- 顔が赤い、または顔色が悪い
- いつもより元気がない
- 頭痛やめまいを訴えている
- 吐き気や気分の悪さがある
- 強い疲労感がある
- 動きがおかしい、ふらついている
- 受け答えがいつもと違う
- 水分をうまく取れない
まずは涼しい場所に移動させ、衣服をゆるめて体を冷やしながら、状態を確認します。
「休むことは悪いことではない」という雰囲気を、普段からチーム全体で作っておくことも大切です。
熱中症になったら次の日の練習は休むべき?
熱中症の症状が出た場合は、次の日の練習にすぐ復帰させるのではなく、十分に休ませることを考えましょう。熱中症の症状が改善したように見えても、完全に回復しているとは限りません。
特に、翌日になっても、
- 頭痛やめまいがある
- 吐き気や食欲不振がある
- 強い疲労感が残っている
- いつもより元気がない
- 水分や食事が十分に取れない
- 尿が少ない、濃い
といった症状がある場合は、練習を休ませて医療機関への相談を検討するべきです。
まとめ|少年野球では「無理をさせない」ことが一番大切

これまで熱中症について対策や注意点をお伝えしてきましたが、さいごにまとめていきます。
少年野球では、運動していない時間も含めて日差しに当たる時間が長く熱中症になりやすい環境といえます。
さらに、子供は水分補給を忘れたり「休みたい」と言いにくいこともあり、大人が観察してあげる必要があるのです。
熱中症にならないために、練習前から水分を少しずつ数回に分けて飲むことが大事で暑さを避けるために紹介したグッズを使うことも有効です。
また、暑さ指数(WBGT)を確認しその日の練習時間や強度などを決めることも大事となります。
そして一番大事なのが、「練習を休む=悪いことではない」ということを普段から子供たちに伝え、しんどい時には「休憩したい」と言える環境を作ってあげることです。
大好きな野球が楽しんでできるよう周囲の大人が気を付けて見守ってあげましょう!


コメント